お家の屋根はどんな形状をしていますか?

お家の屋根はどんな形状をしていますか?

◇無落雪屋根

積雪寒冷地域で戸建住宅の屋根形状や材料を考える場合、『屋根の雪をどのように処理するのか?』は極めて重要な課題です。落雪が隣家に侵入するトラブルや人身事故は、建築の専門家だけでなく、住まい手も責任を問われます。すがもりは、被害が発生すると、多大な費用を要します。住宅の屋根デザインや材料は、見た目や好みだけでなく、冬季のトラブルを未然に防止することも配慮する事が大切です。

◇スノーダクト屋根

現在、無落雪屋根もポピュラーなものは、屋根の中央部に横樋と縦樋を持つМ型屋根で、20年以上前から普及しています。この屋根の注意事項は、縦樋に落ち葉やゴミが詰まると、すがもりしやすいことです。毎年、冬に入る前に屋根に登り、掃除や点検を行うことが重要です。この屋根の縦樋や横樋の接合部は、シーリングするのが一般的ですが、経年劣化するとすがもりの原因になります。そのため、何年かに一度、板金の専門業者に定期点検を依頼する必要があります。

◇フラット屋根

屋根の防水性能が向上したことにより、1/10以下の勾配でも施工可能なフラット屋根が普及してきます。すがもりに関する責任施工保証を行っている施工板金専門業者もいますので、採用にあたっては保証対象になるかを確認しておく必要があります。この屋根の注意点は、屋根面での融雪量が多いと、軒先につららが発生したり、板金と雪との接触面がつららとなり、春先などの気温が向上してきた際に、それが落ちる危険があります。屋根面で雪が解けないように断熱と気密性能確保は欠かせません。

無落雪屋根の機能・特長

機 能

『無落雪屋根』とは、屋根の上の積雪を自然に融かし、その雪どけ水をМ型屋根の谷部に集めて、『排水溝』・『排水管』を通して下水道などへ排水するものです。

注意)この工法は、『屋根の雪を積極的に融かして流す工法ではなく、屋根の上に雪を乗せたままにし、日照や外気温や内部からの熱によって自然に融けた水だけを流すという考え方です』ということをまず認識しておかなければなりません。

特 徴

①落雪による人身事故や隣家とのトラブルが防止できます。

北海道地区では、毎年、屋根からの落下による死者数が出ています。こうした人身事故のほかにも、敷地の狭小化により、隣家の敷地に落ちた雪が庭木を損傷させたり道路をふさいだりするトラブルの発生件数が年々増加しています。『無落雪屋根』は、М型のため屋根の上の落雪することがなく、人身事故や隣家とのトラブルがありません。

②限られた敷地を有効に利用できます。

最近の土地の事情の悪化から、住宅の敷地面積が狭くなる傾向にあり、落雪のトラブルが発生の原因になっています。さらに、狭い敷地を有効に利用することが、住まいづくりの重要な課題でもあります。『無落雪屋根』は狭い敷地が落雪で埋まる心配や除雪の手間もいりませんので、制限いっぱいの間取りや庭づくりもできます。

③雪降ろしや軒天の除雪が不要で労力や費用がはぶけます。

核家族化が進んで、雪降ろしが家族の手で思うようにできないというケースが増えています。雪降ろしや軒下の落雪の処理に要する労力や業者などに頼む費用も大きな負担です。『無落雪屋根』は、こうした負担を解消します。

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