屋根の雪処理リフォーム術
屋根の雪処理リフォーム術
落雪屋根が主流だった昔は、今ほど落雪に対する意識が高くなく、雪が隣家の敷地に落ちても、どこか『お互い様』という気持ちがありました。ところが狭小化や無落雪屋根の登場で、近年は屋根雪が大きな問題になっています。屋根雪問題をリフォームで解決する場合、まず住まいの屋根形状と落雪との関係を調べます。そして敷地との関係や、建物の形も考慮しながら最善策を考えていきます。解決法は応急的なものから、大掛かりな形状変更まで、幅広い方法があるのでじっくり検討する必要があります。専門家の意見を聞きながら、ランニングコストなどを比較して選ぶことが大切です。
◇落雪屋根のケース
①特徴
屋根に勾配があり、自然に雪が落ちるため、建物への負担が少ない屋根形状です。ただし、敷地に余裕があり落雪空間を確保できることが前提になります。勾配は26.6度以上にすると頻繁に雪が落下し、つららの発生を防ぐことができます。また、複雑な屋根形状は雪の落下が妨げられるため、軒先につららなどができやすくなります。
②問題点
落雪屋根の場合、最大の問題は屋根から落ちる雪の飛距離。これは屋根の勾配と密接に関係しています。横葺き屋根などにしていても、予想より落雪距離が遠くまで飛ぶことがあり、隣家や道路などに落ちるとトラブルへ発展しかねません。実際、同じ勾配なら横ふき屋根の方が飛距離が長くなります。また、単純な三角屋根でない場合、雪がスムーズに滑り落ちずに屋根の上で凍りついてしまったり、それが原因で漏水することもあります。
札幌で屋根工事をお考えの方
◇落雪屋根
落雪屋根は、降雪後、日数以内に雪を自然に落下させる必要があります。長期間、屋根上に雪が積もったままにしておくと、つららが発生し屋根勾配は可能な限り急勾配とすることが理想です。
◇落雪屋根の基本ルール
屋根雪が隣家や道路に落下すると、思わぬトラブルが発生します。雪国の住人としてのマナーを守り、良好な隣人関係を維持されることを念頭において、屋根の雪は自敷地内に落雪するように十分に配慮すべきです。
◇雪庇について注意すべきこと
雪庇は降雪時の風向の風下側で発生します。そのため、降雪時の風下に駐車場や玄関アプローチを設ける場合は、注意が必要です。札幌の場合、気象台のデーターを見ると、吹雪が発生する場合は、北西からの風が多いようです。従って、その風下の南東側の屋根端部に雪庇ができやすくなると予想できますが、建設用地を入手する場合には、計画時に周辺住宅の雪庇の形成方位を観察しておくことも重要です。やむをえず、雪庇落下による人身事故の防止対策を施する必要があります。なお、川筋や山沿の土地、周辺に高い建物がある場合は、必ずしも吹雪が北西から吹いてくるとは限りませんので注意が必要です。
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