ライフスタイルの変化などでリフォーム工事を考えませんか?
住宅リフォームの動機・目的
リフォームの施工を進める上では、住まい手がリフォームを行う動機・目的について理解することも大切です。リフォームのきっかけとして、天井から雨漏りがする、ボイラーなどの設備機器が故障した、部屋が狭く感じられる、台所を使いやすくきれいにしたいなど、住まい手・各家庭によっていろいろな動機や目的があります。
(1)住宅性能の維持・向上に係わるもの
①建物・設備の障害や故障、不具合
建物などの保証期間が過ぎたあとで、雨漏り・雨水侵透、設備機器などの故障・不具合が発生し、その対応・修繕を行います。
②建物・設備の老朽化
建物の老朽化によるひび割れ・色あせ・ゆがみ、屋根のサビなどや設備機器等の痛み・能率低下への対応修繕を行います。
(2)快適性の向上に係わるもの
①狭さや部屋数不足などの現状への不満
暮らし方・住まい方が変化したり、住まいの広さに対する意識が変化したりすることによって、狭さや部屋数に対する不満が起こり、リフォームを行います。また、新築当初には考えていなかった除排雪の負担増大や近隣への落雪問題など、現状についての不満がある場合にリフォームを行います。
②生活水準の向上
最新の台所・浴室・トイレ等やインテリアなどが気になりだすなど、生活水準の向上や利便性・快適性の向上を目指し、リフォームを行います。
③断熱性能の改善
寒さや結露・湿気などの不満があり、高断熱・高気密の住宅に改善し、少ない光熱費で、より快適な暮らしを目指します。
(3)ライフ・スタイルの変化に係わるもの
①ライフ・サイクルや家族構成の変化
子供の成長に伴い子供部屋が必要になった、子供が独立し子ども部屋が使わなくなった、親と同居するなど、ライフスタイルや家族構成の変化により住まい方も変化し、それに対応した住宅としていきます。
②高齢化への対応
住まい手の高齢化などにより身体機能が低下し、日常生活の動線が不便・不自由になり、それに対応した住宅としていきます。また、現在は健康であるが将来の身体機能低下などに備えた住宅としていくなどによりリフォームを行います。
住宅リフォームの診断
住宅リフォームの施工として、不確定要素(既存部材などの状態に応じて現場で対処しなければならない部分)が多く、既存部分への養生の配慮や、小規模施工に伴う材料や手間のロスなど、工事費の増大につながる事例が多いのが事情です。また、リフォームに係わる『診断』が的確に行われない場合には、
◎適切な見積が行われない
◎実際の施工に際して、工事範囲が一定しない
◎施工現場での変更が多発し、その都度、施工金額が変更されるなど
の問題が起こる可能性が高くなります。見積書は、施工する範囲・方法、作業工程数などを明示するとともに、施工会社のリフォーム工事に対する取り組み姿勢を表したものとも言えます。そういった意味からも、適切な見積もりを提示するためにも、的確な診断は欠かせません。
2診断の進め方
リフォームに係わるこれまでの診断で重視されるのは技術者自身の経験勘であり、これらが客観的な資料やデータとして示されることが少ないため、住まい手側から診断自体の有効性に疑問をもたれるケースが多いのが実状でした。診断では、住まい手側から傷みや不具合があると指摘された箇所のみを確認するだけでなく、そのような状況に至った『原因』などを探り出し、改善方法を示していく姿勢も大事です。
■住宅における『診断』とは
◎住宅の状況・状態
◎住まい手が改善してほしいと望んでいる問題点・課題を的確にとらえる
◎専門的な立場からの住宅の調査・評価
◎具体的で適切なアドバイスを与えること
と位置づけることができます。また、リフォームにおける診断の場合には、単に建物・設備機器などを対象とするだけでなく、住まい手の暮らし方や人間関係などの面も含めた広い視野からの現状把握・分析とアドバイスが重要となります。
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